大判例

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名古屋高等裁判所 昭和26年(う)731号 判決

刑の免除の判決は有罪判決に属するが故に、其の言渡をするには、刑事訴訟法第三百三十五条第一項に則り、罪となるべき事実、証拠の標目及法令の適用を示さなければならないことは洵に所論の如くであつて、今之を本件に付いて観ると、原判決が本件に付刑の免除の言渡を為し乍ら、其の理由に於て、法令の適用として被告人の所為は刑法第二百三十五条第二百四十三条に該当するが、中止未遂に係るから、同法第四十三条但書後段により被告人の刑を免除する旨説示する外、所論摘録の如く説示して居るに止ることは原判決により明らかであつて、之によれば原判決が其の理由中に於て、罪となるべき事実として窃盗の中止未遂に関する事実を、証拠の標目として被告人の原審公判廷に於ける供述並被告人に対する司法警察員の供述調書を夫々説示した趣旨であることが認め得られるので、原判決が其の理由中に於て、証拠の標目として右の如く説示して居る以上、之が訴訟手続に法令の違反あるものであるか否かの点は格別、尠くとも原判決が証拠の標目を欠くものと做す所論は当らない。併し乍ら原判決の罪となるべき事実の説示に付いては、此の点に関し曩に説明した如く原判決は窃盗の中止未遂に関する事実を説示した趣旨と認め得られるけれども、之が内容特に中止未遂に関する部分の具体的内容に付いては、原判決の理由中に於ける前掲の如き説示のみによつては到底之を知り得ないが故に、此の点に関し原判決には理由を備えない違法あるものと断ずるの外なく、従て此の点に於て論旨は結局其の理由あるに帰着する。

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